大崩山 広タキスラブ左ルート&小積ダキくもの糸〜中央稜

期間:2010326日・27

山域:大崩山

クライマー:K岩、I

 

記録をとってなくて忘れかけていた登攀だが、鹿児島黒稜会のK岩さんの記録を頂いた。許可をもらったのでここに転載する。

ほとんどボルトの無いスラブ、絶悪のアプローチであったことだけ覚えている。

 

P3260154.JPG326

あいかわらずの2~3時間睡眠で起きて広タキスラブへ行く。アプローチでだいぶ迷って上に行き過ぎたようなので滝の横を懸垂下降する。そうするとテープが出てきたので正しい道となった。少し登るとフィックスロープの連続となった。すさまじい。やっと取り付きについたが、ボルトの見当たらないスラブが200mぐらいのスケールである。

広タキスラブの左ルートを登る。とりあえず1ピッチ目を登るが、結局20mぐらいはノーピンであった。ムーブは簡単。

2ピッチ目は、早くも核心のピッチであった。どうもルート図が適当な気がする。ステップを超えた後がすさまじくて、何のホールドも無く、ちょっと登ってやっとホールドがあって終わる。

3ピッチ目は、スラブの直上で気持ちが良いが、あいかわらずのランナウトとホールドの無さで足だけで登るような感じである。

4ピッチ目は草付を左斜め上に登って立木でピッチを切る。

5ピッチ目は、最初のトラバースが核心。スメアリング、ホールドなしのスラブをトラバースである。悪かった。その後は登攀終了となる。懸垂で下まで降りる。

その後、次の日大崩山小積ダキ中央稜を登るため大崩山荘に移動して寝た。

P3260156.JPG

 

327

P3270164.JPG 早起きして小積ダキに向かう。途中何箇所か若干迷ったが、何とか取り付きに着いた。下部は、くもの糸ルートで行くことにしていた。

 1ピッチ目は、チムニーであるがその前の微妙な広さのところで苦労する。その後も壁が凍っていたりして苦労した。

2ピッチ目はリングボルトのA1であった。

3ピッチ目は、草つきと雪と岩のミックスである。所々キャメロットで支点を取りながら登る。難しくはないがミックスクライミング的でいやらしい。最後は左のフェースをハンガーボルトのA1で登る。

4ピッチ目は、つるつるのフェースをハンガーボルトのA1で登る。フリー化は無理であろうと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P3270165.JPG5ピッチ目は、ハング気味のところを右から巻いて登るフリーとA1のミックスで登る。完全なフリーで行けるかもしれないが、悪い部分が何箇所かある。小ハングの所のボルトが遠くて若干悪くてフリーで登らなければならない。その後中央ベランダに到着する。中央ベランダから上はチムニーであるが盛期のところと若干違う感じがした。

6ピッチ目は、スクイズチムニーの下でピッチを切る。スクイズチムニーはキャメロットの5番も決まらず、6番のサイズがずっと続く。足はニーロックも決まらず、ヒールアンドトゥかTスタックだろうかという所である。

7ピッチ目は、岩穴の手前でピッチを切った。

8ピッチ目は、岩穴のトンネルなのだが、意外とすぐ終わった。もうちょっとトンネルっぽくなっているのかと思ってたので期待はずれであった。8ピッチ目の終了点が下の窓である。

9ピッチ目はクラックであり、草付がだいぶとれてきているような感じで快適であったが、最後の方が凍っていて若干悪かった。凹角の中間部で9ピッチ目を切る。

10ピッチ目は、最初の凹角をレイバックで登り、上の窓に着いて、上の窓の上はA1のトラバースである。右にA1トラバースするとボロボロの凹角である。ボロボロの凹角が終わった後でピッチを切った。11ピッチ目は普通に行けばクラックなのだが、あまり時間がないので右のブッシュに逃げて小積ダキの頭に着いた。18時ぐらいであった。その後、暗くなりながら3時間半ぐらいかけて坊主尾根から大崩山荘を経由して林道に着いた。なかなか大変な1日だった。

(文:K岩、写真:I見)

P3270168.JPG